トップメッセージ

1919年に創業した私たちは、日本初となる「路線事業」や「宅急便」の開発など、時代の変化とともに、「運ぶ」を通じてお客さまのニーズに応えるイノベーションを創出してきました。地球規模での気候変動の深刻化、国際情勢の不安定化に伴うエネルギーなどの原材料価格や物価の高騰、少子高齢化による労働力人口の減少など、より不確実性が高まるこれからの時代においても、持続可能な社会創りに参画することは社会の公器としての責務です。

ヤマトグループは2024年4月、新しい中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」を始動しました。「持続可能な未来の実現に貢献する価値創造企業」を経営テーマとして掲げ、経済価値、環境価値、社会価値をかけあわせることで、社会と企業双方の持続可能性を高めていくことを目指します。事業構造改革を継続して推進するとともに、基盤となる宅急便ネットワークの強靭化、法人ビジネス領域の拡大による成長、社会のニーズに応える新たなビジネスモデルによる価値創造、グループ経営基盤の整備などを通じて、事業ポートフォリオの変革に取り組んでまいります。

特に基軸となる宅急便ビジネスにおいては、2024年1月末、国際規格に準拠した宅急便のカーボンニュートラリティを達成し、維持継続することを宣言いたしました。持続可能な未来に向けた「カーボンニュートラル配送」による差別化により宅急便の利用促進につなげていきます。

物流業界では、トラック輸送力不足の深刻化、適正価格での収受など、解決すべき課題が数多くあります。大手物流事業者として、これらの課題解決に率先して取り組むことは、重要な責務と考えています。パートナーの皆さまとともに、サステナブルな物流を構築し、経営理念に掲げる「豊かな社会の実現」に貢献してまいります。

創業時から受け継がれてきたイノベーションの精神を忘れることなく、多様なステークホルダーの声に真摯に耳を傾け、社会全体に「新たな物流」、「新たな価値」を生み出し続けるべく、ヤマトグループ一丸となって取り組んでまいります。

2024年4月
ヤマト運輸株式会社
代表取締役社長

長尾 裕