いい競争で、いいサービスを。

1.ユニバーサルサービスとして「郵便業務」は必要です

ユニバーサルサービスとは地域の分け隔てなく、だれもが利用しやすいように維持されるべき公共的なサービスのことです。
ユニバーサルサービスのひとつである「郵便業務」は日本郵便株式会社(以下、日本郵便)がその業務を担っています。
ほかには、電気や通信、水道などもユニバーサルサービスです。

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2.ユニバーサルサービスである「郵便業務」には、さまざまな優遇措置があります

日本郵便には「郵便業務」をユニバーサルサービスとして維持することが義務づけられています。
法律ではこうしたサービスの維持を義務づける代わりに優遇措置が用意されています。

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3.現在、黒字である「郵便業務」に、なぜ税制優遇が必要なのでしょうか

私たちは国民生活に不可欠なユニバーサルサービスの維持があらゆる経営努力によっても難しい場合は、その範囲を明確にした上で、「最小限」の優遇措置を講じるのは、やむを得ないと考えています。

しかし、2015年9月28日に総務省 情報通信審議会 郵政政策部会(以下、郵政政策部会)が発表した最終答申「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」(平成25年10月1日付諮問第1218号)は、日本郵便に対し、これまでの優遇措置に加えてさらなる優遇措置を実施すべきとの内容になりました。

一方で、日本郵便が7月31日付で発表した「業務区分収支(2014(平成26)年度)」では、ユニバーサルサービスである「郵便業務等」「銀行窓口業務等」「保険窓口業務等」の各事業は全て黒字であり、赤字である「その他事業」を含め、全体でも黒字となっています。

2015年7月31日付 日本郵便「業務区分別収支(2014(平成26)年度)」より
※1 第一号(郵便業務等)とは、日本郵便株式会社法(以下、日本郵便法)14条1号に規定する業務(郵便の業務、印紙の売りさばき業務及びお年玉付郵便葉書等の発行の業務並びにこれらに附帯する業務)です。
※2 第二号(銀行窓口業務等)とは、日本郵便法14条2号に規定する業務(銀行窓口業務等及びこれに附帯する業務)です。
※3 第三号(保険窓口業務等)とは、日本郵便法14条3号に規定する業務(保険窓口業務等及びこれに附帯する業務)です。
※4 第四号(その他)とは、日本郵便法14条4号に規定する業務(荷物、不動産及び物販等の業務)です。

黒字の「郵便業務」に、なぜ優遇措置が必要なのでしょうか

郵政政策部会の最終答申は、ユニバーサルサービスの「範囲」が本当に国民にとって不可欠な範囲なのかが十分に議論されたとは思えません。

このままでは、ユニバーサルサービスの確保という名のもと、ユニバーサルサービスではない貨物事業などの「その他事業」の大幅な赤字を補填するために、日本郵便に対する優遇をさらに強めようとしているとしか思えません。

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4.税制優遇が適用される「郵便業務」の範囲を明確にしてください

税の優遇とは、言葉を変えれば税金の投入です。つまり国民の負担でユニバーサルサービスを維持することになります。国民が負担する以上、どの事業やサービスの維持が困難なのかを明確に示した上で、その収支を国民の誰もが分かりやすく確認できるようにすべきだと思います。

日本郵便の「ゆうパック」は、かつて郵便物に含まれていましたが、2007年の郵政民営化以後はユニバーサルサービスからはずれました。いまでは、「ゆうメール」とともに「宅配便貨物」に分類されています。
つまり日本郵便は、ユニバーサルサービスである「郵便業務」とユニバーサルサービスではない「荷物を運ぶ仕事」の両方をしています。
ユニバーサルサービスを維持するための事業所税や固定資産税の軽減などの優遇をする際に、ユニバーサルサービスではない「荷物を運ぶ仕事」の部分は、きちんと除外されているのでしょうか。

まず、郵便業務と荷物を運ぶ仕事(貨物運送事業)の会計を厳密に区分し、さらに、郵便業務の各事業、サービスごとの収支を公開し、ユニバーサルサービスとして維持するべき事業、サービスの範囲を特定した上で、それがやむを得ず赤字となる場合に限り、最小限の優遇措置を実施することを、国民に分かりやすく、ていねいに説明してほしいと思います。

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5.郵便業務のなかで、「荷物を運ぶ仕事」を拡大できる制度になっています

ユニバーサルサービスとされる「郵便業務」のなかのいくつかのサービスは、実際には荷物を送るためにも使われています。日本郵便のレターパックやスマートレターはオークション品などのやり取りに利用することを推奨しています。EMS(国際スピード郵便)は対象を手紙や書類だけでなく、冷蔵品の送付にまで拡大しています。
これらの「荷物を運ぶサービス」は、国内外の宅配便事業者が提供するものと競合関係にあるものです。

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6.「荷物を運ぶ仕事」については、公平・公正な条件(イコール・フッティング)の実現を

いまの制度のままでは、「荷物を運ぶ仕事」なのに、「郵便業務」としてサービスを拡大し、しかも交通規制の免除や通関手続きの簡素化などの優遇を受けることができる。ユニバーサルサービスを維持するための優遇を受けながら、さまざまな荷物を運ぶ仕事を拡大できることになります。これでは、「公平・公正な競争条件」にも、規制緩和の流れにも大きく逆行すると思います。

こうした不公平な制度が、1日も早く見直され、「荷物を運ぶ仕事」に関わるすべての事業者が、対等に競争できる世の中になることを希望します。

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7.国民に分かりにくい「信書」の制度は変えられないものでしょうか

いまの法律では、「信書(手紙など)」をひろく全国に運べるのは事実上、日本郵便の「郵便業務」だけです。宅急便、ゆうパック、ゆうメール、メール便などの「荷物を運ぶサービス」を使って「信書(手紙など)」を送ると、送ったお客さまも罪に問われ、罰せられる決まりとなっています。
さらに複雑なのは、同じ文面であっても送付する状況が違う場合や文面のわずかな違いによって、荷物として運べたり、運べなかったりすることです。その基準はあいまいで、一般の人はもちろん、総務省の窓口に問い合わせてもその文書が「信書(手紙など)」かどうか即答できないケースがあるほどです。荷物を送る側、運ぶ側のどちらにとっても分かりにくく、不便な制度になっています。

こうした不都合を避けるため、クロネコヤマトは、送付が規制される「信書(手紙など)」の範囲を文書の文面ではなく、文書を入れる封筒の大きさで決めることを、2013年12月、郵政政策部会に提案しました。

しかしながら、当社の主張は受け入れられず、送付が規制される「信書(手紙など)」の範囲は曖昧なままです。

お客さまが知らないうちに信書を送ってしまうリスクをふせぐため、私たちは2015年3月31日をもってクロネコメール便を廃止しました。

信書便事業に関する当社の見解

2003年施行の「民間事業者による信書の送達に関する法律」(以下、信書便法)により、ひろく全国に送達可能な「一般信書便」事業と限定的な範囲で送達可能な「特定信書便」事業に民間事業者も参入することが可能となりました。

特定信書便については、2015年6月の信書便法改正により、サイズや料金などの若干の規制緩和も行われましたが、一般信書便への参入に際しては全国に約10万本のポストを新規に設置する必要があるなど、極めて厳しい参入障壁が継続されており、信書送達の99%以上を占める「一般信書便」事業に参入している事業者は1社もありません

当社は、過去に実行された国営事業の民営化の例にならい、社会的インフラともいうべき郵便ポストや郵便局ネットワークを民間事業者へ開放することで利用率を向上させ、例えば電話事業のように接続料収入を得ることで、国民負担を増大させることなくユニバーサルサービスの安定維持を図ることは十分に可能であると考えています。

既得権を持つ事業者の保護を前提とした規制緩和は、名ばかりのものであり、このような状況が改善されない限り当社は一般信書便事業には参入すべきではないと考えています。

※2015年11月12日現在

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クロネコヤマトは、「公平・公正な競争」が
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