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いい競争で、いいサービスを。いい競争で、いいサービスを。

2015年11月12日掲載の意見広告
「いい競争で、いいサービスを。」に対して、
たくさんのご意見をいただきました。ありがとうございます。

いただいたご意見・ご質問を参考に、掲載以来、クロネコヤマトは、同業他社、関係団体に対して、私たちの主張への賛同や連携へのさまざまな働きかけを行ってきました。しかし、宅配便事業のおかれている競争環境は、いまだに公平・公正なものとは言えない状況が続いています。どこに問題があり、具体的な解決策はどうあるべきなのか、あらためて、私たちの意見をまとめておきたいと思います。

国会、政府、経済団体でこの問題について、いくつかの取り組みがありました。ご報告します。

  

2016年6月。第190回国会で「日本郵便の貨物運送事業に対する優遇措置の是正」について議員より、質問がされました。

2016年7月。総務省で「郵便のユニバーサルサービスに係る課題等に関する検討会」が発足し、第一回会合がもたれましたが、残念ながら当社の主張は議論されませんでした。

2016年11月。総務省に対して、貨物市場の公平・公正な競争条件(イコール・フッティング)についての問題点をまとめ、提出しましたが、その回答はとても納得できる内容ではありませんでした。

2016年12月。経団連が「規制改革要望」をまとめ、その中で「貨物市場における公平・公正な競争」、「国際スピード郵便(EMS)に対する通関手続き及び検疫制度の抜本的な見直し」の2点を、具体的な要望として政府へ提出しました。

2015年4月、クロネコメール便が廃止されたあと、日本郵便はいくつかのサービスを値上げしました。ご報告します。

  

2016年6月。「国際スピード郵便(EMS)」の料金が一部値上げされました。

2016年6月。「区分郵便物」の割引率が引き下げられました。

2016年12月。2017年6月からの、はがき、定形外郵便物、ゆうメール(規格外サイズ)の料金の一部値上げが発表されました。

あらためて、クロネコヤマトの主張を、まとめます。

「信書の問題」は放置されたままです。
信書の定義は、だれにでも分かりやすい「外形基準」に変更すべきです。
差出人まで罰せられる罰則規定は理不尽です。

信書の定義は今も曖昧な「内容基準」のままです。分かりやすい「外形基準」を導入するなどして、誰にでも信書と非信書が分かるようにすべきだと思います。また、信書を「荷物を運ぶサービス」で送ると、差出人と運送事業者の両方が罰せられる罰則規定になっています。信書の定義が曖昧である以上、せめて差出人は罰せられないようにするべきです。

「郵便業務」の名のもとに、「郵便業務のためのインフラ」を使って、「荷物を送るサービス」の市場を侵食するのは公平・公正な競争とはいえません。

郵便物であるレターパックやスマートレターが、「信書と荷物を一緒に送れる」サービスとして推奨販売されています。一方、信書を運ぶことができない他の宅配事業者にはこれができません。これは、明らかに公平・公正な競争を損なうものです。

さらに、ユニバーサルサービスを維持するために譲渡された郵便ポストが、ゆうパケットやゆうメールなどの「荷物を運ぶサービス」に利用されていることも同様です。

また、10年間据え置かれてきたゆうメールの料金が一部値上げされることになりました。理由は「人件費単価の上昇」「持戻り・再配達を行うことによるコストが増加」というものですが、もしクロネコメール便との競争があれば、この値上げはなかったのではないか、私たちは大いに疑問を感じます。

日本の国際スピード郵便(EMS)は、手紙などの郵便物だけでなく、さまざまな優遇を受けて「荷物」まで運んでおり、貨物市場での公平・公正な競争条件(イコール・フッティング)を阻害しています。

日本では「荷物を運ぶサービス」はユニバーサルサービスではありません。
しかし、国際スピード郵便(EMS)は、他の郵便業務と同様、ユニバーサルサービスのための優遇を受けながら、「郵便物」として「荷物」を運んでいます。

最近の報道で、こうした「荷物」の多くが、私たち民間の宅配事業者が取り扱っているものと同じ種類のものである実態が明らかになりました。

その報道によれば、日本の国際スピード郵便(EMS)は、10年前の2倍の規模にまで拡大しており、中国からの訪日観光客の土産品や、日本の通販サイトからの冷蔵、冷凍の生鮮品などの購入品を送るために利用されているとのことです。

そして、これらの「荷物」にも、「郵便物」として、通関や検疫の簡素化などの優遇が適用されています。日本の国際スピード郵便(EMS)は民間と同じ「荷物」を運びながら、ユニバーサルサービスとして優遇を受けているため、国内外の宅配事業者は対等に競争することができません。

さらに、多くの荷物や生鮮品が送られているにもかかわらず、通関や検疫の簡素化などの「郵便物」のための優遇が適用されているため、通関を受けずに禁制品がやりとりされるリスクや、検疫を受けない生鮮品が輸入されるリスクが放置されている、言葉を変えれば、保安面や防疫面で問題が発生しかねない状況にあると言えます。

国際スピード郵便(EMS)のうち、信書以外の「荷物」については、優遇措置を撤廃し、公平・公正な競争のもとでサービスを提供すること、さらに、保安面や防疫面でもリスクのない、一般の荷物と同じ通関や検疫の手続きをとることを求めます。

クロネコヤマトは、信書と国際スピード郵便(EMS)について、制度の見直しを具体的に提起します。

この1年、クロネコメール便の復活を望む声が多数寄せられました。しかし、いまの曖昧な内容基準による「信書の定義」のままでは、お客さまのリスクを完全に排除することはできません。

国際スピード郵便(EMS)で荷物を運ぶことは、公平・公正な競争を阻害しています。また、これを優遇するために通関、検疫を簡素化している今の日本の制度には、社会の安全と公衆衛生の面で放置できないリスクがあります。

クロネコヤマトはこの問題の解決策として、「信書の定義」を分かりやすい外形基準とし、罰則規定を見直すこと、国際スピード郵便(EMS)の荷物についてはユニバーサルサービスの適用を廃止し、「通関と検疫の簡素化」を見直すこと、この2つを具体的に提起します。

この問題提起によって、国会審議や政府の検討委員会等の場で、国民生活へのリスクが真摯に検討され、建設的に議論されるよう、クロネコヤマトは、粘り強く発信をし続けます。また、今後の活動の参考にさせていただきますので、ぜひ、皆さまの率直なご意見をお寄せください。

信書の問題点

クロネコメール便を廃止してから1年以上、お客さまからいまだに復活を希望する声が届いています。廃止の理由は、信書の定義がわかりにくく、お客さまが信書を送ることで罪に問われるリスクがあるためでした。残念ながら、その状況はいまだに改善されていません。

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国際スピード郵便(EMS)の問題点

日本産の果物や魚などが海外でも注目され、日本と海外での荷物の量が増えている中、不正薬物等の国内流入も拡大しています。国際物流の在り方を考えなおさなければならない時期がきています。

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意見広告掲載以降の社会の動きと
クロネコヤマトの取り組み

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